Prune.

好きなことを好きなだけ。

東京の街が奏でる

日が楽しい、なんてことはない。毎日が楽しくて、楽しくて、仕方がないなんていう気持ちにはならない。

けれど、たまに楽しい、それこそ生きていて幸せだなあとふと思うことがある。

えば、それは東京の夜の街明かりを見たとき。名前も知らない人々がたくさん住んでいる大きなタワーマンションの灯りを見て、そこにも生活があり、それはずっと続いていくのだと考えるとしみじみする。マクロな世界のなかにある、ミクロな生活実践に思いを馳せる。

好きな人と終電後の街を歩いているときも楽しい。公共交通機関が止まり、眠りに入った街。静まり返った街はなんだか平生のしっかりとした、スーツを着たようなありさまとは異なり、どこか心を許してくれるような感じがする。心を許せる人と、心を許してくれる街を歩くのはとても楽しい。少しのお酒やアイスクリームがお供にあると、なお良い。このとき夏の暑さはエモく、冬の寒さは他人の存在を色濃くする。

美味しいワインに出会えた華金も素敵だ。ワインには当たり外れが大きい。開けた途端にダメだと気づいてしまうワインもあれば、開栓直後の香りで当たりを予感し、グラスに注ぎ、口に含んだときに花が開いたかのように幸せを感じられるものもある。そこに美味しい料理やおつまみがあれば文句はない。仕事終わりの金曜日は社会人になってから気づいた贅沢な、幸せな時間の一つだ。

お酒つながりでいえば、だいぶ酔っ払って友達と街を徘徊しているときも好きだ。酔っ払って見る街はまるでディズニーランドのようなテーマパーク感に溢れている。もちろん、ほどほどの飲酒であることが肝要だけど、素面では見れない街の姿にわくわくする。街路樹、信号、ネオン、それらが新鮮に映る。

朝帰りの朝に見る川や海なんかも好きだ。オールしたことで身体はくたくただ。しかし、朝日が昇ってくると、この街にまた朝が来たのだと実感する。ここでサカナクションの「朝の歌」を聞いたりすると、めっちゃエモい。

局、僕は街が好きなのかもしれない。ひいては「東京」が好きなのかもしれない。

そこに人や建物や、空気感や、お酒が絡んでいることは言うまでもない。しかし、それらを織りなす総体として街がある。まさに「東京の街が奏でる」のだ。

朝の歌

朝の歌