※とりあえず冒頭の吉澤嘉代子(前編)まで書いたので、そこまでアップ。以降、気力があったら後編と続くはず。
3月1日、TSUTAYA O-WESTで開催された南波志帆のレーベル設立記念ライブ"sparkjoy hour ~girls joy~"(南波志帆、吉澤嘉代子、Negicco)に行ってきたので簡単にライブレポートを。
覚えているうちに書かないと忘れちゃいそうだし。
19:10あたりに予定時刻を約10分遅れで開演。吉澤嘉代子が一番手。この間ニューアルバム"東京絶景"をリリースしたばかりの彼女。このアルバムにも収録されている"ユキカ"からライブはスタート。前作"秘密公園"を少し聴いていたので知っていた曲。
メインは南波志帆なので(と言っても実はNegiccoのファンの方が一番多かった気がする)吉澤嘉代子のファンはかなり少なかったように思える。何曲か聴いたけど、一番良いなと思った曲は"東京絶景"。MCによると、彼女が20歳の頃に上京し新代田に住み始めた友人に宛てて書いた楽曲だそう。
井の頭線を普段から使っている身としてはすごく親近感があった。それにしても小説といい、音楽といい、井の頭線沿線が登場する率の高さはいったい何なのか。柚木麻子の"終点のあの子"という小説にも井の頭線が出てくるし。くるり初のクラブコンセプトのアルバム"TEAM ROCK"発売時はそのアルバムの物販Tシャツを着た人が井の頭線に沢山居たという話も以前MCで聴いた。
さすがカルチャー度が高い路線。(多分)
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さて、"東京"という言葉が登場する楽曲には名曲が多い気がするが(どことなく言われていることだけど)この曲もご多分に漏れず。
そしてサビに繰り返し出てくる"東京は美しい"という歌詞。"東京は美しい"という言葉に違和感を感じる人も多いと思うが、なぜここで彼女は躊躇いもなく"東京は美しい"という歌詞をうたうのか。
東京には(物質的には)何でもあって、沢山の人がいる。これは疑いようもない事実だ。だけど、何でもあるし沢山の人がいるからこそ"逆に"なにもないとも言える。
多くの人が泣いたり、笑ったり、なにかを作った昨日は日付が変わるのと同時にかき消されてしまう。まるで黒板消しで綺麗になった黒板みたいに。
あれだけ沢山の文字が書かれていた黒板がすっかり次の日の朝には綺麗になっている。それと似た感覚が東京にはあるような気がする。
"むせるまで笑ったって跡形も無い昨日"や"無口な朝の道"という歌詞も、人を飲み込む東京という街がリセットされて次の日の朝には何事も無かったかのように新たな、綺麗な一日を刻んでいる感覚を言葉にしたものではないだろうか。
全てがあるからこそ、なにもない。全てを手にすることができる人々の汚さ(それは全能感や、彼女がうたう"終わりのない欲望"という言葉に近い)でさえ東京という存在をもって美化されてしまう。だから"東京は美しい"のではないか。
そんなわけでこの記事を書いているうちに僕は"東京絶景"に少しハマってしまった。ついでに、"ユキカ"と"胃"という曲も好き。バイトの休憩時間に聴いてちょっと和んだ。
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