Prune.

好きなことを好きなだけ。

【短編小説】Synthétique

Tout s'embrase dans mes rêves synthétiques. (Zarba par Therapie TAXI) 総合的で、連鎖的な、事物そのものが問いかける真実という構築物。全ては意味のなかで溶け合い、身体において統合され、文化のなかで形態を獲得する。 混ぜ合わせたアイスクリームは…

【短編小説】なんにも得られないこの街で

▼Homecomings「Blue Hour」に最大限のオマージュを。 Blue Hour Homecomings ロック ¥250 provided courtesy of iTunes なんにも得られないこの街で。なんでもあって、なんにもないこの街で。 分からない正体不明の人が、この人は無能だとか、この人はいけ好…

【短編小説】SUNDAY SONG / SHE SUNG

▼Richard Beirach「SUNDAY SONG」に最大限のオマージュを。 SUNDAY SONG リッチー・バイラーク ジャズ ¥200 provided courtesy of iTunes 日曜日の朝、彼は買ったばかりの飲むヨーグルトを捨てる。 彼は別にヨーグルトの味に不安があったわけではなかった。…

【短編小説】We Never Know

▼HAIM「You Never Knew」に最大限のオマージュを。 You Never Knew ハイム オルタナティブ ¥250 provided courtesy of iTunes 高速道路に沿って続く、いくつかのマンションを眺めて。 沢山の部屋に灯りがついているのに気づくでしょう。おそらくそれは暖色で…

撒かれたものを拾うということ

撒かれたものを拾うということ。何もかもが見つからないような夜の海の底から、拾い物を探すように彼は目を皿にする。遠くで点滅するいくつもの光。飛行機。ここがどこだって構わない。もはや場所は、場所ではなくなったような気がしてしまう。 間違っている…

円環的な「消費する欲望」の当事者として + 商品で記号を纏うということ

近頃は、ミニマリストなどに代表される「本当に良いものを少なく持つ」という言説をベースに、そのような生活を実践している人が多いような気がする。 僕自身も、最近たくさんものは買わないけれど、その代わりにとびきり良いものを買うという消費の在り方も…

星野源「Pair Dancer」に関する雑文(あるいは、他者と間違いについて)

星野源、待望のニューアルバム『POP VIRUS』を一通り聴いた。 星野源を最初にきちんと聴いたのは、2013年のことだったと思う。iTunesのライブラリを確認する限りではそうなっている。 ずっと追っていたわけではないので、あまり詳しいことは言えないんだけど…

"Plateau" 創痍としてのプラトー

▼このアルバムのなかから好きな曲を選んで、それを聴きながら読んでもらえると嬉しい。 レインコートが雨を弾く。あるいは、綺麗に巻かれたストールが目に映る。あれはミラノ巻きだったりするのかもしれない。そのあたりには詳しくないから、正確なところは…

巻き戻しをするということ/Rewind to change something

巻き戻しとか、巻き戻すという言葉をふと耳にして、なぜ僕たちの日々は(時間は、あるいは、人生は)巻き戻せないのだろうと思った。 小沢健二は「流動体について」で「もしも間違いに気がつくことがなかったのなら」と歌い、過去のある時点において別の選択…

For All Time、あるいは、さよならなんて云えないよ

大学4年生になった。大学であまり知り合いに会うことも少なくなって、代わりにまだまだ初々しい3年生を目にしたりする日々。 自分が大学1年生だった頃を思い出してみる。あの頃と比べて、どんなことが変わって、どんなことが進み、また逆にどんなことが後退…

ちぎれた夜に、暮らしと意味について考えたこと―そしてそのループ

「暮らし」とはなんだろうと思う。 暮らしていくこと、生きていくこと、これはある意味では同義だと思うし、またある意味では違うような気がする。生きていくことは、もっと個人的な問題で、暮らしていくことは、より他者との関わりに重きがおかれているよう…

"バーチャル"に取り憑かれる私たちの日常とその身体ー"リアル"との対比を通じて

最近、こんな人に出会った。 「僕はやっぱり対面でのコミュニケーションや関係を大切にしていて。だからネット上で誰かと知り合うとか仲良くなるというのは、やっぱり信じきれないし、そうあるべきではないと思うんです。」 完全にこう言っていたかは定かで…

「平坦な戦場」を生き延びていくために―岡崎京子「リバーズ・エッジ」をめぐって

【この記事は一部ネタバレを含みます】 先日映画化された、岡崎京子「リバーズ・エッジ」を早速観に行ってきた。実は原作の漫画本は少し前に買ってはいたものの、あえて読んでいなかった。というのも「ジオラマボーイ・パノラマガール」あたりから岡崎京子を…

【短編小説】あるソルナ・セントラムでの邂逅をめぐって

ソルナ・セントラムの地下鉄駅を電車は既に通り過ぎていた。気づいた頃にはヤコブの目の前に座っていた三十代後半くらいのいかにも高価そうなコートを羽織った婦人も、電車を降りてしまっていた。 彼があの日彼女に出逢ったのは、このソルナ・セントラムの地…

【短編小説】消失した「ある都会」をめぐる語り

あの光。摩天楼。神々しいネオンの灯り。「ある都会」について話して欲しいと頼んだとき、彼女はそんな言葉を口にした。ある都会―既に消失してしまい、今では空想の都市として語られている―はそれはもう素晴らしいところだったようだ。 不幸なことに、僕が生…

世代的な、国家的な、ジェンダー的な個

折に触れて自分について考えるとき、よく思うことがある。それは自分は主体的で自由な存在だと思っていても、そんなことは全くなくて、かなりの割合で外部の影響を受けまくっているということ。 タイトルで「世代的な、国家的な、ジェンダー的な個」と書いた…

On the way back home,

I was on the way back home. Many cars come and come, some bicycles go somewhere with a very high speed. At that time, I was listening to"My Red Shoes Story" by Flipper's Guitar as a very high volume. Oyamada sings "I make up my mind!" Oh, …

正論的な、余りに正論的な

この夜中に去年急逝した、雨宮まみさんの著書を読んでいた。 まじめに生きるって損ですか? 作者: 雨宮まみ,HELMETUNDERGROUND & RIKO 出版社/メーカー: ポット出版 発売日: 2016/06/27 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 「まじめに生きる…

いつのまにか眠ってしまって起きたら2時だったりするそんな夜に

いつのまにかベッドの上で眠ってしまって起きたら2時だったりした。夜から夜へ。変わらない時間の中を移動するような感覚。朝目を覚ますのとは違うこの感覚。何かの始まりが見えない、どこまでも水平線上で代わり映えのないような現状を傍観するような気持ち…

言葉で伝える / 伝わるということ

この人はどんな風景を見たのだろう、だとか、この人はどんな思いをしたのだろうと思う。目の前で向かい合って話を聞いていても、言葉から伝えられるその風景や思いは、リアリティを欠く。むしろ純度の高いリアリティを求める姿勢自体が間違いなのかもしれな…

筋書きのない深夜の考えごと

何か書く。書きたい。でも書くことがない。そういう気持ちでこのブログを書いている。書くという行為にだけ力を注ぐなら、中身はどうでも良いと言えるのだろうか。書くことはあくまで「書く」行為であって、その中身まで保障されたものではない。意味を成し…

切っても切れない「子育てと労働問題」を考えてみた

今日は少し真面目な話をしたい。たまにはいいだろう。 今期、ちょっとした興味から教育行政学の講義を履修した。僕は教育学部の学生ではないので(そもそもうちの大学に教育学部はない)ある意味専攻外ではあるが、これが予想外に面白い。大学入学後に履修し…

Before sleeping,

本を読みながら、あるピアノの曲を聴いていたら、ここ数年の記憶みたいなものが頭のなかを行きつ戻りつして、なんとも言えない気持ちになった。 いろんなものの切片のようなものがあるとして、その切れ切れが全体そのものより大切だと思う。全体の完全な記憶…

明け方に

明け方に聴く音楽が、そして明け方に音楽を聴いている時間が大好きだ。 いろんな人たちが仕事を始める前、みんなが眠っていて、そして街も眠っている時間。音楽だけが鳴り響いていて、軽快なメロディを奏でる。 どんなに1日嫌なことだらけだったとしても、こ…

人は複数のペルソナの夢を見るか?ーー大江健三郎『下降生活者』をめぐって

大江健三郎の「下降生活者」という短編を読んだ。 この小説は簡単に言えば、田舎(東京との対極の地として語られる場所)出身の主人公が、出自を隠し、その都合の悪い部分を偽りながら、高い地位(この小説では、大学教授として書かれている)を得るのだが、…

Dear

久しぶりに書いてみる。だいたい文章を書きたいと思うのは、夜中で、それも深夜。静かで無いと書く気力は起きない。 3年生になって、就活とか大学院とかいろいろこれからのことを考えなきゃいけなくなってきた。この先どんなふうになるんだろうと思いを巡ら…

分かりやすい「ものさし」で測るということ

寝る前ってなんだかいろんなことが書けるような錯覚に陥る。 そりゃもう、早くベッドに入って寝てしまえば良いのに、何を好き好んでカタカタ打ってるんだ、とも思うけれども。 でも書きたいことはたいして無くても、文字を書くこと、打つことが好きだ。良い…

深夜に突然現れる「何か書きたい欲」

何か書きたいけど、書くことがない。そんな気分。 何かを誰かに伝えたくて、自分自身が喜べるような小気味よい文章を書きたくて、BGMとして聴いている藤原さくらの音楽がとても良くて、何かさらさらと書けるような気がしたけれど、書けない。 だって、書くこ…

「キリンジ」の音楽と歌詞と、それから文学と

LINEモバイルのCMがYouTubeの広告として頻繁に表示されていたのがきっかけで、キリンジにハマりつつある今日この頃。 YouTubeの広告って大抵くだらないやつか、邪魔なやつが多くて、大半はスキップするんだけど、この広告を見たとき、まず曲で良いな、と。ボ…

Twitterのはなし: それがどう「良い」か書くべき?

Twitterに音楽を投稿したり、料理を上げるとき、どんな言葉と一緒にアップしようかいつも悩む。 そして僕は大抵そこに、"良い曲"とか"美味しかった"とか当たり障りのない言葉をくっつけてアップするんだけど、たまにもっと細かいことを書くほうが良いのかな…